6月の中国からアメリカへの輸出額は、去年の同じ月と比べて16.1%のマイナスとなったものの、減少幅は前の月から縮小しました。米中両国がことし5月中旬に互いの追加関税を引き下げることで合意し、駆け込みで輸出を増やす動きが出たためとみられます。

中国の税関当局が14日発表した貿易統計によりますと、6月のアメリカへの輸出額は、ドル換算で去年の同じ月と比べて16.1%のマイナスとなったものの、34.5%の減少となった前の月と比べて減少幅は縮小しました。

減少幅が縮小したのは、米中両国がことし5月中旬に100%以上の追加関税を互いに大幅に引き下げたうえで、協議を進めることで合意したことを受け、協議の期限となっている来月中旬までに駆け込みで輸出を増やす動きが出たためとみられます。

また、アメリカからの輸入額は去年の同じ月と比べて15.5%減り、こちらも減少幅が縮小しました。

一方、中国の貿易全体では、輸出額は5.8%増えました。

東南アジアやヨーロッパ向けが伸びたためです。

輸入額は1.1%増えました。

ただ、中国企業の中には、部品などを東南アジアに輸出したうえで、現地で組み立てなどを行ってアメリカに輸出しているところも多く、アメリカが来月1日から東南アジアの主要な国にも追加関税を課すとしたことで、世界の貿易に影響がでる可能性があります。