中国の首都・北京の郊外で先週から続く大雨の影響でこれまでに30人が死亡しました。地元当局は今後、河川がさらに増水するおそれがあるとして北京の都市部に近い地域でも安全の確保を呼びかけています。

中国国営の新華社通信などによりますと北京郊外の山あいの地区、密雲では、先週23日から断続的に大雨が降っていて、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降った時間帯もあります。

この影響で密雲や周辺の地区では29日午前0時までに30人が死亡したということです。

国営テレビの映像では河川が氾濫して土砂が崩れ、電柱が倒れている様子や、山あいの町が広い範囲で水につかり、建物から住民が救助隊に助け出される様子が確認できます。

また、被害が大きい地域では30か所余りで道路が損壊し、130以上の村で電気が行き渡らなくなっていて、これまでに8万人余りが避難しているということです。

雨は29日も降り続き密雲にあるダムからの放水量は増えていて、地元当局は北京の都市部に近い地域を流れる下流の川でもさらに増水するおそれがあるとして安全の確保を呼びかけています。

中国ではこのところ北部や東北部などで大雨が続いていて、習近平国家主席は昨夜28日夜、各地で重大な被害が出ているとして救援活動などを進め人的被害を最小限にするよう指示していました。