中国 “スパイ行為”で拘束 製薬会社の日本人男性 きょう判決 | NHK

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中国 “スパイ行為”で拘束 製薬会社の日本人男性 きょう判決

中国

中国でスパイ行為に関わったとして、2年以上にわたって拘束されている大手製薬会社の日本人男性の裁判の判決が、16日に北京で言い渡されます。日本政府は、中国側に対し、男性の早期解放を繰り返し求めており、判決の内容に関心が集まっています。

この男性は、大手製薬会社、アステラス製薬の60代の社員で、スパイ行為に関わったとして、おととし、2023年3月に北京で国家安全当局に拘束され、去年、起訴されました。

身柄の拘束が、2年以上に及ぶ中、男性に対する判決が16日午前、北京の裁判所で言い渡される予定です。

関係者によりますと、男性は中国での勤務経験が長く、人事異動で帰国する直前に拘束されたということです。

男性のどのような行動が罪に問われているのかは明らかになっていません。

去年11月の初公判は非公開で行われましたが、16日の裁判は、現地の日本大使館員が傍聴する予定で、判決の内容に関心が集まっています。

中国は2014年に反スパイ法を施行して、中国人だけでなく、外国人への監視も強めていて、日本人も、これまでにスパイ行為に関わったなどとして17人が拘束され、今も5人が中国国内で服役したり、拘束されたりしています。

日本政府は、これまで日中首脳会談や外相会談などを通して、中国側に対し、この男性を含めて、拘束された日本人の早期の解放を繰り返し求めています。

「反スパイ法」とは

「反スパイ法」は、2014年に施行され、国家の安全を重視する習近平指導部のもと、2023年7月には、スパイ行為の定義を拡大した改正法が施行されました。

改正法では、スパイ行為について「国家の安全に危害を及ぼす活動」や「スパイ組織への参加」「国家の秘密や情報、国家の安全と利益に関わる文書やデータ、資料や物品の窃取や提供」など、6項目を定義しています。

この中には、「その他のスパイ活動」という項目もあり、日本の外務省は「さまざまな行動がスパイ行為とみなされる可能性があり、法律の内容が当局によって不透明かつ予見不可能な形で解釈・運用される可能性もある」として注意を呼びかけています。

これまでに日本人17人が拘束

中国は、2014年に「反スパイ法」を施行し、スパイ行為に関わったなどとして、2015年5月以降、これまでに17人の日本人を拘束しました。

日本政府によりますと、このうち1人は、16日に判決が言い渡される予定の大手製薬会社、アステラス製薬の60代の社員です。

また、11人は、中国の裁判で実刑判決が確定し、4人が今も服役していて、6人が刑期を終えて帰国、そして、1人は服役中に病気で亡くなっています。

このほか、5人は、起訴される前に拘束を解かれて帰国しています。

「反スパイ法」をめぐっては、スパイ行為の定義があいまいだと指摘され、国際社会から法律が恣意(しい)的に運用されるおそれがあると懸念が示されています。

おととし、2023年7月には、スパイ行為の定義が拡大された改正「反スパイ法」が施行され、中国に進出する日本企業や日本の研究者などの間で、いっそう懸念が広がっています。

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