不漁続くサンマ 大型増えるも 漁場に来る量は低水準続く見通し

水産業

不漁が続くサンマについて、ことしは去年より大型が増えるものの、漁場に来る量は、去年並みの低い水準にとどまるという見通しを国の研究機関が発表しました。

サンマの漁獲量は、3年前には2万トンを割り込み、去年はいくぶん回復したものの3万9000トン余りと、この20年間でピークだった2008年の10分の1近くに落ち込んでいます。

ことしのサンマについて、国の研究機関の「水産研究・教育機構」は29日、8月から12月までの間、日本の漁船が主に操業する海域での見通しを公表しました。

それによりますと、北海道から千葉県にかけての海域に来るサンマの量は、「去年並みの低い水準」にとどまる見通しです。

時期でみると、漁期の前半となる10月上旬までは去年を下回る一方、後半の10月上旬以降は上回るとしています。

また、調査を通じて、日本から遠い東側の海域で大きいサンマの割合が多かったことから、それらが日本の近くに回遊する漁期の後半は大型が増えると予想しています。

ただ、研究機関は、海水温の上昇などに伴って資源量が減っているおそれがあるうえ、主な漁場が北太平洋の公海で、日本の漁船は操業しにくいことから引き続き漁が振るわない可能性があるとしています。

水産研究・教育機構の冨士泰期 主任研究員は「漁期の特に前半はかなり厳しい状況からスタートするが、後半は去年よりもまとまった群れが来て、トータルとしては去年並みになるだろう。また、スーパーに並ぶサイズのサンマは、去年よりも20グラム程度大きくなると思う」と話しています。