ロシア国防省 ウクライナ東部の集落を掌握と発表 | NHK

ロシア国防省-ウクライナ東部の集落を掌握と発表-|-nhk

ロシア国防省 ウクライナ東部の集落を掌握と発表

ウクライナ情勢

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアの国防省は7日、ウクライナ東部ドニプロペトロウシク州の集落を掌握したと発表しました。ロシアの複数のメディアは、ロシア軍がこの州の集落を掌握するのは、初めてだと伝えています。

ロシア国防省は7日、ウクライナ東部ドニプロペトロウシク州の集落、ダチネと、北東部スムイ州の集落、ベッサリウカを掌握したとSNSで発表しました。

このうちダチネをめぐっては、ウクライナ軍の参謀本部は6日「敵の攻撃を阻止した」と発表しており、激しい攻防が続いていたものとみられます。

ドニプロペトロウシク州とスムイ州は、プーチン大統領が一方的に併合を宣言したウクライナの東部と南部の4つの州には含まれていませんが、ロシア国防省は先月上旬、ドニプロペトロウシク州への攻撃を行っていると発表していました。

ロシアの複数のメディアは、ロシア軍がドニプロペトロウシク州の集落を掌握するのは初めてだと伝えています。

プーチン大統領は、アメリカのトランプ政権が仲介するウクライナとの和平に向けた協議に応じる姿勢を示しつつも、ウクライナの「中立化」や「非軍事化」など侵攻の当初の目的が達成されるまでは侵攻を継続する姿勢を示していて、占領地域の拡大を図っています。

米シンクタンク “ロシア軍 意図的に民間人標的にしているか”

ウクライナでは、一晩で100機を超えるロシア軍の無人機による攻撃が続いていて、ウクライナ空軍の発表によりますと、6日から7日にかけては無人機101機と、ミサイル4発による攻撃がありました。

非常事態庁によりますと、この攻撃で北東部のスムイ州では2人が死亡したほか、東部ハルキウでは、集合住宅や幼稚園などが攻撃をうけ、子ども3人を含む27人がけがをしました。

こうした中、アメリカのシンクタンク、戦争研究所は6日「ロシアによる最近の夜間攻撃では民間人の犠牲者が増えていて、意図的に民間人を標的にしている可能性が非常に高い」と分析しました。

戦争研究所は、ロシア軍が1つの場所に時間をあけて2度攻撃する、「ダブルタップ」攻撃で、最初の攻撃のあと現場に駆けつけた救助隊員をねらっているとしています。

ロシア軍は、これまでもウクライナで「ダブルタップ」攻撃を行ってきたとされていますが、戦争研究所は「ロシアは無人機の改良を進め、標的の近くに無人機を集めてから一斉に攻撃する戦術をとっていて、標的を攻撃する能力が向上している」と指摘しています。

ウクライナNGO ザポリージャ原発 “脅威高まり続けている”

人工衛星の画像や関係者へのインタビューなどで、ロシアによる戦争犯罪を検証するウクライナの2つのNGOは7日、都内で会見を開き、ロシア軍が占拠を続けるウクライナ南部のザポリージャ原発の現状などについて説明しました。

IAEA=国際原子力機関によりますとザポリージャ原発では今月4日、原子炉の冷却に必要な外部からの電力供給が一時、途絶えました。

会見でNGOは「電力供給が途絶えた原因は調査中だが、同じタイミングで防空警報が鳴っていたことがわかっている。原発の敷地内では技術者への拷問が続き、武器が置かれ、ロシア軍の倉庫のような状態だ」と述べ、事故の脅威が高まり続けていると危機感を示しました。

NGOによりますと、原発が立地する自治体や周辺の7か所で、ロシア軍による原発の技術者や市民への拷問が確認され、拷問の手段として電気ショックも使われているとしています。

NGOの担当者は、「ロシア軍は人権を侵害し、原子力の安全も脅かしている。国際社会全体でロシア軍の戦争犯罪にどう対応していくのかや、万が一、原発事故が起きたときの対処方法を考えなければならない」と警鐘を鳴らしました。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *