モンゴル訪問中の天皇皇后両陛下 国賓として歓迎式典に | NHK

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モンゴル訪問中の天皇皇后両陛下 国賓として歓迎式典に

皇室

国際親善のためモンゴルを公式訪問している天皇皇后両陛下は、首都ウランバートルで国賓として歓迎式典に臨まれました。
記事後半では歓迎式典のあと、両陛下とことばを交わした大相撲の元横綱3人のコメントも紹介しています。

天皇皇后として初めてモンゴルを訪問している両陛下は、現地時間の8日午前10時頃から、ウランバートル中心部の政府庁舎前にある広場でフレルスフ大統領夫妻とともに歓迎式典に臨まれました。

天皇陛下は、礼砲と君が代の演奏で歓迎を受けたあと、儀じょう隊の栄誉礼を受け、大統領とともに整列した隊員を巡閲されました。

広場の周りには、民族衣装を着て両国の国旗を持った人や「ありがとう日本」と日本語とモンゴル語で書かれた横断幕を持った人などが詰めかけて式典の様子を見守り、両陛下はモンゴルの閣僚らと握手を交わしたあと、モンゴル側の関係者として出席した大相撲の元横綱、朝青龍、日馬富士、白鵬とことばを交わされていました。

そして、大統領夫妻とともに階段を上り、モンゴル帝国の初代皇帝チンギス・ハーンの巨大な像の前に進んで一礼したあと、振り返って手を振られました。

このあと両陛下は、庁舎内にある賓客応接用の「ゲル」で1時間余りにわたって大統領夫妻と会見されました。

フレルスフ大統領

会見の冒頭、大統領は「両陛下の国賓としての訪問は大変喜ばしいことで、心から大歓迎します。モンゴル国民の融和と独立の象徴でもあるナーダムの開会式に賓客として出席されることは、モンゴル人にとって大変光栄でうれしく思います。両国の国民の間の友好や友情、親善関係を発展させるうえで、大変すばらしい訪問になることを確信しています」と述べました。

これに対して天皇陛下は「皇后とともに訪れることができましたことを、大変うれしく思っています。心温まる大変すばらしい歓迎式典を催していただき、心から感謝しております。今回、2人でそろってモンゴルの歴史や社会、文化に触れることを大変楽しみにしています」と話されました。

また、皇后さまも「モンゴルの自然に触れる機会を楽しみにしています」と述べられたということです。

モンゴル側関係者として出席の元横綱3人は

歓迎式典のあと、両陛下とことばを交わした大相撲の元横綱3人が、報道陣の取材に応じました。

ドルゴルスレン・ダグワドルジさん(元横綱・朝青龍)

元横綱・朝青龍 ドルゴルスレン・ダグワドルジさん
「天皇陛下と話せるというのはなかなかないことなので、モンゴル人として本当に誇りに思います。今回は天皇としてモンゴルを訪問し、こんなにめでたいことはないんじゃないでしょうか。本当にもう、感無量です」

ダワーニャム・ビャンバドルジさん(元横綱・日馬富士)

元横綱・日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジさんは「きょうはお会いできて、本当に光栄に思います」と述べたうえで、乾燥した気候のモンゴルでは徳の高い人が来ると雨が降るという言い伝えがあり、両陛下が会場に到着したあと雨が降り始めたことを踏まえ「雨も降って国民の皆様も大変喜んで、感激しています」と話していました。
モンゴルには、日馬富士の名前を冠した学校があるということで、インタビュー中、朝青龍が「もう、うれしいだけです」と控えめに話す日馬富士に「学校の先生なんだから、もっとビシッと決めてよ」と、ことばをかける場面もありました。

白鵬翔さん(元横綱・白鵬)

元横綱・白鵬の白鵬翔さんは、天皇陛下が、18年前に皇太子としてモンゴルを訪問した際にモンゴル相撲の英雄だった自身の父親に会ったことやその後、園遊会で懇談したことを覚えてくれていて、その話をされたことに驚いたと述べました。

そのうえで「きょうは亡き父の指輪をつけてきました。もったいないおことばをいただき、本当にうれしく思います。天皇陛下には『ありがとうございます。またモンゴルに来ていただいて、うれしく思います』とお伝えしました」と話していました。

歓迎式典を見守る人たちは

モンゴルの首都、ウランバートルの中心部にある政府庁舎前の広場では8日小雨の降る中、伝統の民族衣装に身を包んだ大勢の人たちが歓迎式典を見守りました。

式典を見に来た60代 元教員
「日本に関心を持っているので、天皇皇后両陛下が来られると聞き、行くしかないと思いました。モンゴルと日本の関係が新たな段階に入ることを期待しています。モンゴルには子どもを日本に留学させたい人が多いので、教育の分野で関係が強化されることを望んでいます」と話していました。

60代の元教員
「天皇皇后両陛下を遠くから見ました。皇后さまがおじぎをされる姿がすばらしかったです。今回の訪問はモンゴルと日本の友好関係が末永く続くことを確認する機会になると思います」と話していました。

30代の公務員
「天皇皇后両陛下を歓迎できて誇りに思います。日本の研修を受けたことがあり教育の分野で両国の協力が強化されるとよいと思います」と話していました。

日本に留学経験 ウランバートルで日本との交流の仕事に携わっている女性「うれしくて涙が出るくらい感動しました。日本の支援のおかげでモンゴルは発展しました。これからも関係がもっと発展してほしいと思います」(日本語で)

両陛下 首都郊外にある日本人抑留者の慰霊碑を訪問

天皇皇后両陛下は、終戦から80年の節目を前に首都ウランバートル郊外にある慰霊碑を訪ねて、帰国がかなわなかった日本人抑留者の霊を慰められました。

両陛下は、ウランバートル中心部で国賓として歓迎式典などに臨んだあと、午後、郊外にある日本人抑留者の慰霊碑を訪ねられました。

モンゴルには、第2次世界大戦の敗戦後、旧ソビエトによって抑留された日本軍将兵や民間人あわせておよそ1万4000人がシベリア経由で移送され、このうちおよそ1700人が寒さや飢えと過酷な労働などのため命を落としたとされています。

天皇陛下は、皇太子時代の平成19年にもこの場所を訪れていて、降りしきる雨の中、皇后さまとともに慰霊碑に花を供えて黙とうをささげ、帰国を果たせないまま酷寒の地で亡くなった人たちの霊を慰められました。

そして、慰霊の様子を見守っていた日本遺族会の会長や抑留者の遺族とことばを交わされました。

8日は、天皇皇后として初めてモンゴルを訪問した両陛下の歓迎行事が行われていて、おふたりはこのあと宿泊先のホテルで大統領夫妻主催の歓迎の晩さん会に臨まれます。

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