マカオで初めて国家安全維持法での摘発か 民主派重鎮を逮捕

中国

マカオの民主派の重鎮が、政府に批判的な言動を取り締まる国家安全維持法違反の疑いで逮捕され、地元メディアはマカオで初めて国家安全維持法での摘発が明らかになったと伝えていて、香港と同様に民主派への締めつけが強まっています。

マカオの警察当局や地元メディアによりますと、国家安全維持法違反の疑いで逮捕されたのは、マカオの議会にあたる立法会の元議員、区錦新氏(68)です。

区氏は天安門事件の犠牲者を追悼する集会を開いてきたほか、20年にわたって立法会の議員を務め、自由や民主化を訴えてきたマカオの民主派を代表する重鎮です。

警察当局の発表では「海外の勢力と結託して中国政府への恨みを引き起こし国家の安全に危害を加えた」などとしていて、地元メディアはマカオで初めて国家安全維持法での摘発が明らかになったと伝えています。

マカオではことし9月に立法会の議員選挙が予定されていますが、4年前の選挙で民主派の候補は事前に立候補を取り消され議席を失っています。

中国の習近平国家主席は去年12月、マカオが中国に返還されて25年になるのにあわせて開かれた記念式典で「中央政府の全面的な統治権の行使はいかなる時も揺らいではならない」と述べ、中国に批判的な動きを封じ込め統制を緩めない姿勢を示していて、香港と同様に民主派への締めつけが強まっています。