トランプ氏 英ゴルフリゾート滞在 EU・英首脳と関税協議も | NHK

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トランプ大統領

イギリス北部スコットランドを訪問しているアメリカのトランプ大統領は、現地のゴルフリゾート施設に滞在しています。EU=ヨーロッパ連合やイギリスの首脳との間で関税措置に関する協議も行われる見通しです。

トランプ大統領はイギリス北部スコットランドを25日から訪問し、一族の企業が所有する現地のゴルフリゾート施設に滞在しています。

26日にはゴルフをプレーしたりみずからカートを運転したりする様子などがみられ、周辺では地元の警察が警戒にあたっていました。

トランプ大統領は27日にEUのフォンデアライエン委員長と会談して、関税措置について協議すると明らかにしています。

トランプ大統領はEUからの輸入品に来月1日から30%の関税を課すと表明していて、合意に至るかが焦点となっています。

また、滞在中にはイギリスのスターマー首相とも会談する予定で、イギリスメディアは、両国の間で協議が続く鉄鋼製品への追加関税の引き下げなどについて話し合いが行われると伝え、その行方にも関心が集まっています。

今回の訪問をめぐっては26日にスコットランドの複数の街でトランプ大統領の政治姿勢などに対する抗議集会が開かれていました。

母親の出身地 スコットランドにゆかり

アメリカのトランプ大統領はスコットランドにゆかりがあります。

トランプ大統領の母、メアリー・アン・マクラウド氏はスコットランドの北西部に位置するルイス島の出身でアメリカに移住しました。

スコットランドには、トランプ氏の一族の企業が所有するゴルフリゾート施設が2か所あります。トランプ大統領は、26日、このうち南西部ターンベリーにある施設でゴルフをしました。

イギリスの公共放送BBCなどは、トランプ大統領がゴルフの全英オープンをこの施設で開催することに関心を示してきたと伝えています。

また、北海に面したアバディーンの近くにあるもう1つのゴルフリゾート施設には、トランプ氏の母親の名前にちなんだ新しいコースも建設されていて、ロイター通信は、トランプ大統領がこの施設も訪れる見通しだと伝えています。

トランプ氏の政策などに反発 スコットランドで抗議集会

スコットランドでは、26日、トランプ大統領の政策などに反発する人たちが大勢集まり、抗議集会を開きました。

集会が開かれたのはトランプ氏の一族の企業が所有するゴルフリゾート施設に近いアバディーンで、参加者はパレスチナのガザ地区での人道危機や、環境問題などへの対応をめぐり、抗議の声を上げました。

会場では「スコットランドはトランプ氏の遊び場ではない」とか「出て行け」などと書かれたプラカードも見られました。

参加した地元の女性は「これは国賓訪問でも、公式訪問でもない。ただゴルフをするだけの訪問でその警備に私たちの税金が使われている。トランプ氏が歓迎を受けていることも悪いことだと感じる」と話していました。

地元の男性は「イギリスにとってアメリカは長年よい同盟国だったが、その関係はトランプ氏のもとで崩れた。トランプ氏は経済面だけではなく、福祉や公衆衛生の面においても世界全体にとって脅威だ」と話していました。

一方、集会に参加しなかった街の人からは「イギリスとアメリカの関係はうまくいっていると思う」とか「貿易やイギリスの経済的な利益のためには、トランプ氏との関係を維持しなければならない」といった意見も聞かれました。

“厚遇ぶり”の一方 9月 2度目の国賓訪問へ

エリザベス女王と(2019年)

アメリカとイギリスは「特別な関係」と呼ぶ緊密な同盟関係を保ち、互いを重視してきましたが、ことし1月に就任したトランプ大統領に対するイギリス側の厚遇ぶりが目立っています。

スターマー首相は、ことし2月、ホワイトハウスを訪れてトランプ大統領と会談し、国賓として招くとするチャールズ国王からの書簡を手渡しました。

会談は関税政策やウクライナ情勢を巡って、トランプ大統領がどのような発言をするのか関心が集まっていましたが、トランプ大統領はその場で国賓としての招待を受け入れる考えを示し、イギリス側が和やかな雰囲気を演出した形となりました。

その後、今月になってトランプ大統領の国賓としての訪問は9月になる予定だと発表されました。トランプ大統領は1期目の2019年にエリザベス女王の招待で国賓としてイギリスを訪れていて、ことし9月の訪問は、2度目となります。

スターマー首相は「これは前例のないことだ」と述べていて、イギリスメディアは、アメリカの大統領によるイギリスへの2度の国賓訪問は歴代の大統領のなかで初めてだと報じています。

イギリス側は、今回のトランプ大統領のスコットランド訪問でも大統領とチャールズ国王の面会を模索しましたが、双方の日程の都合で行われない見通しです。ただ、スターマー首相はトランプ大統領と現地で会談を予定していて、イギリスとしてはさまざまな機会をとらえて、関係強化を図りたいねらいがあるとみられます。

米英貿易協定に強い懸念の声も

アメリカと良好な関係を維持し、報復措置などもとらなかったイギリスはことし5月、貿易をめぐる交渉でいち早く合意を発表し、先月には両首脳が貿易協定の文書に正式に署名しました。

トランプ政権が自動車に対して25%の追加関税措置を講じる中イギリスで生産された自動車は年間10万台までは関税が10%に引き下げられたことなどから協定を歓迎する業界がある一方、アメリカから市場の開放を迫られた業界からは強い懸念の声も出ています。

その1つがイギリス国内でガソリンに混合する形で車の燃料などとして利用されるアルコールの一種、エタノールの製造業界です。

アメリカとの合意ではイギリスに輸入されるエタノールに課されていたおよそ20%の関税を年間14億リットルまでゼロにすることが盛り込まれています。

中部ノースヨークシャー州に製造工場をもつ会社は年間およそ4億リットルを生産していますがアメリカから安い製品が大量に流入すればビジネスを続けるのは難しくなるとしていて、このままでは工場を閉鎖する可能性があると懸念を強めています。

その場合、工場で働くおよそ120人の従業員だけでなく、原料の小麦を生産する農家や運送業者など、関連する業界のおよそ3000人に影響が及ぶとしています。

エタノールを製造する会社「エンサスUK」のピアソン会長は、イギリス政府に財政的な支援や国内でのエタノールの需要を拡大する政策を求めているとしたうえで「残念ながらトランプ大統領と交わした取り引きには敗者がいて、それがこの業界だ。工場が閉鎖されれば、雇用と地域経済の面で大きな影響がある。政府には可能なかぎり早く行動してもらいたい」と話しています。

いち早くアメリカと貿易をめぐる合意に達したイギリスですが、国内で影響を受ける業界にどのような配慮や支援を行っていくかが新たな課題となっています。

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