トランプ氏 ロシア停戦応じなければ“厳しい関税 期限前倒し”
アメリカのトランプ大統領はロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、ロシアが停戦に応じなければ厳しい関税を課すとした期限を、8月上旬に前倒しする意向を表明し、圧力を一段と強めています。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、トランプ大統領は7月14日、ロシアが9月上旬までの50日以内に停戦に応じなければ厳しい関税を課すと警告しました。
これについて、トランプ大統領は28日、訪問先のイギリスで記者団に対し、プーチン大統領に対する不満を改めて表明した上で、50日以内とした期間を短縮する考えを示しました。
そして、トランプ大統領は「きょうから10日か、12日後を新たな期限とする。待つ理由がない。私は寛大でありたいが、何の進展も見られない」と述べて、期限を8月上旬におよそ1か月間、前倒しする意向を表明しました。
また、ロシアが停戦に応じない場合の対応について、トランプ大統領は「制裁措置と関税、『2次関税』となるだろう」と述べて、ロシアの製品を輸入する国に対してアメリカが関税を課す可能性に言及しました。
さらに、トランプ大統領はプーチン大統領との会談について「もはや話し合うことにあまり興味はない。われわれはすばらしい会話をするが、その後、ミサイルが街を攻撃し、人々が亡くなる」と述べて、否定的な考えを示しました。
トランプ大統領は停戦の実現に向けて具体的な進展が見られない中、ロシアに対する圧力を一段と強めた形です。
ウクライナ ゼレンスキー大統領 トランプ大統領に謝意
ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、SNSに投稿し「トランプ大統領の明確な姿勢と決意の表明はまさに適切なタイミングだ」と歓迎しました。
また「真の平和のために力をもって行動することで、多くの変化をもたらすことができる」と投稿し、トランプ大統領に謝意を示した上で、アメリカと協力しながら平和を実現するために行動していく考えを強調しました。
ロシア メドベージェフ副議長「脅威であり戦争への一歩」
ロシアの前大統領で、安全保障会議のメドベージェフ副議長は28日、SNSにアメリカのトランプ大統領について「ロシアに対する最後通ちょうのゲームをしている」と投稿しました。
その上で「新たな最後通ちょうは脅威であり、戦争への一歩だ。それはロシアとウクライナの間ではなく、彼自身の国との戦争だ」などと反発しました。