コメ平均価格 5キロ3534円 備蓄米“早く店頭に” 玄米で販売も | NHK

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全国およそ6000の店舗で今月6日までの1週間に販売されたコメの平均価格は、5キロあたり税込みで3534円と7週連続で値下がりしました。地域ごとにみても、すべての地域で4000円を下回りました。

また、随意契約で放出された備蓄米の販売量は先月29日まででおよそ3万2000トンにとどまっていて、農林水産省が求めている来月いっぱいの期限までに売り切ることができるかが焦点になっています。

農林水産省は、随意契約の備蓄米によるコメ価格への影響などをより正確に示したいとして、先月から全国のスーパーなどおよそ6000店舗を対象にした民間のデータを公表しています。

それによりますと、今月6日までの1週間に販売されたコメの平均価格は、5キロあたり税込みで3534円と、前の週より157円、値下がりしました。値下がりは7週連続です。

農林水産省は、随意契約による割安な備蓄米の販売が進んでいることが背景にあるとみています。

地域差は前週より縮小

地域ごとにみると、前の週に3000円を下回った「信越」は、230円上がって3198円となりました。

一方、もっとも安いのは「九州・沖縄」で前の週から333円下がって3033円となったほか、次いで「北海道」が551円下がって3150円となりました。

前の週、4000円を超えていた「東海」は3901円、「北陸」も3739円といずれも値下がりし、9つの地域すべてで4000円を下回りました。

また、もっとも高い地域と安い地域の価格の差は947円と、前の週より縮小しています。

随意契約の備蓄米 期限の来月末までに売り切れるのか

農林水産省によりますと、小売業者などが販売した随意契約による備蓄米の量は、先月29日までで3万1943トンとなっています。この量は、10日までに確定している小売業者などからの購入の申し込み、29万トン余りに対して、1割程度にとどまっています。

現状について、農林水産省は、備蓄米を保管倉庫から出す際に一定の時間が必要になるほか、輸送するトラックの手配にも時間がかかっていることなどが背景にあるとみています。

農林水産省は、随意契約による備蓄米が短い間に店頭に並び販売が進むよう、小売業者などに対し、来月末という期限を定めて売り切るよう求めています。

農林水産省は、「倉庫から備蓄米を運び出す作業を休日返上で行ってもらうなど対応を進めている。さらに流通をスピードアップさせるよう努めていく」としています。

早く店頭に 精米せず玄米のまま販売するスーパーも

スーパーの中には入荷した備蓄米をなるべく早く店頭に並べようと、あえて精米を行わず、玄米のまま販売しているところもあります。

都内などにあわせて7店舗を展開するスーパーでは、令和3年に収穫された備蓄米、あわせて10トンが今週入荷し、11日から販売を始めました。

このスーパーでは自社で精米機を所有していますが、なるべく早く売り始めようと、一部の備蓄米はあえて精米を行わず、玄米の状態で店頭に並べました。

価格は1袋あたり10キロ、税込み3499円となっています。

これとは別に、自社で精米した備蓄米を1袋あたり2キロ、税込み777円で店頭に並べました。

随意契約で放出された備蓄米について、農林水産省は来月末までに売り切ることを求めています。

こうしたことからこのスーパーでは売れ行きをみながら、どの程度の量を玄米の状態で売るかなど、対応を検討していきたいとしています。

マルヤス 松井順子代表

「無事に販売を始めることができてほっとしています。お客さんが好きなように精米できて、涼しいところで保管すれば、玄米の方が保存がきくので玄米での販売を期待している方もいると思う」

ドラッグストア 入荷頻度が増加も“売り切れるか不透明”

大手小売店の中には、来月末までに備蓄米を売り切ることができるか、見通しが不透明だとしているところもあります。

九州地方を中心に各地に店舗を展開する大手ドラッグストアでは、先月上旬から各店舗で1袋あたり5キロ税込み1980円で備蓄米の販売を始めました。

このうち東京 世田谷区の店舗では先月上旬には1週間に1回程度だった備蓄米の入荷が現在は2回から3回程度に増えていて、売れ行きも好調だということです。

ただ会社によりますと、備蓄米の入荷は当初想定していたペースで進んでいないということで、11日までに店頭に並べることができたのは、確保している2万トンのうちの十数%程度にとどまっているということです。

会社では備蓄米が保管されている倉庫からの搬出に時間がかかっているのではないかとみていて、現時点では政府が期限としている来月末までに売り切ることができるか、見通しは不透明だとしています。

コスモス薬品 店舗運営部 森翔一郎上級エリア長

「入荷の頻度は販売を始めた先月上旬よりは多くなってきている。消費者にいち早く届けられるように努力しています」

販売期間の延長を検討するべきだと指摘

三菱総合研究所 稲垣公雄研究理事

販売量が3万トン余りにとどまっていることについて
「小泉農林水産大臣が就任し、5月31日から店頭に出始めた時には、リーダーシップをもってやればできたのかと驚いた。ただやはりどうしても時間がかかるということを改めて認識した。7月が終わっても全然出ていないということになるとさすがにそれは遅いという気がするが、これからが本番で量が出てくるのではないか」

販売までに時間がかかっている要因について
「流通の途中には検査なども当然入ってくるし、精米作業はコメを機械に入れて回せばいいというものではない。およそ30万トンを緊急に出すということで、物流にもかなり手間がかかっている」と述べました。

政府が来月末までの販売を求めていることについて
「全体のコメの需給がそこまでタイトではなくなっていて、無理やりコメをどんどん出さないといけない状況ではない。価格の安い備蓄米をほしいという人はいるので、供給が難しい精米所の事情もあるなら、9月までなどに延ばしても消費者、流通ともにメリットがあるのではないか」

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