カンボジア首相“タイ側が停戦案応じず”主張 住民の被害拡大

カンボジア

タイとカンボジアの国境地帯で続く両国の軍による武力衝突は25日も攻撃の応酬となり、住民の被害が拡大しています。カンボジアのフン・マネット首相は停戦案を受け入れたがタイ側が応じなかったと主張していて、事態の鎮静化はまだ見通せない状況です。

タイとカンボジアが領有権を争う国境地帯では24日以降両国の軍の武力衝突が続いていて、タイの保健省などはカンボジアによる攻撃でこれまでに地元の住民など少なくとも14人が死亡したほか、40人以上がけがをしたとしています。

一方、カンボジアのメディアは当局者の話として、タイ軍からの攻撃でこれまでに民間人1人が死亡し、5人がけがをしたと伝え、住民の被害が拡大しています。

ASEAN=東南アジア諸国連合の議長国マレーシアのアンワル首相が24日に両国の首脳に即時停戦を求めたことについて、カンボジアのフン・マネット首相は25日、自身のSNSで「私は停戦案を受け入れることを明確にした。タイ側も停戦案に同意したが、その後撤回した」と主張しました。

一方のタイ外務省はSNSで「停戦に同意し、検討する意向だ」としたものの、カンボジアからの攻撃が続いていると非難しました。

さらにプームタム首相代行は25日の演説で「カンボジアの攻撃は病院や住宅地を標的にしていて、国際法と人道主義の原則に対する重大な違反だ」と非難しました。

国境地帯の各地では、双方の攻撃の応酬が続いている模様で、事態の鎮静化はまだ見通せない状況です。