
イチローさん 「光栄に思う」 米野球殿堂入り表彰前に会見
日本選手で初めてのアメリカ野球殿堂入りを果たしたイチローさんが26日、翌日に控えた表彰式典を前に記者会見を行い「1人目がいなければ次はないので、その1人目が僕だったことは光栄に思う」と思いを話しました。

アメリカ野球殿堂は大リーグで大きな功績を残した選手などが対象となり、ことしはマリナーズでシーズン262安打の大リーグ記録を打ち立てるなど19年にわたって活躍したイチローさんが日本選手として初めて選出されました。
27日には野球発祥の地とされるニューヨーク州クーパーズタウンで開かれる表彰式典に出席し、スピーチをすることになっていて、式典を前に26日、記者会見を行いました。
白のTシャツにジャケット姿で会見に臨んだイチローさんは、冒頭で「とにかくスピーチのプレッシャーで押しつぶされそうで、えらいことになっています」と報道陣の笑いを誘い、日系の選手も含めて初めての殿堂入りとなったことについては「1人目がいなければ次はないので、その1人目が僕だったことは光栄に思う」と笑顔を見せていました。
現役時代にはクーパーズタウンのアメリカ野球殿堂博物館を訪れて名選手ゆかりの品々にふれることもあったということで「シーズン中は自分の心が濁っていくこともあったが、ここに来るとそれをリセットしてくれて、本来野球選手が持っていないといけない『もっとうまくなりたい』という感情を戻してくれる場所だった」と話しました。

また、今の大リーグの選手たちへの印象については「野球というのは知恵をしぼって自分の能力を高めていく競技で、ただ走るのが速い、肩が強い、球速や打球速度が速いでは測れないものだと思う。今の大リーグはそういう考える野球に戻りつつあると思う」と印象を述べました。
その上で、体格で劣る中でも結果を残し続けた現役時代を念頭に「今回僕がクーパーズタウンにいることが、なにかのメッセージになるんじゃないかと思う」と自身の殿堂入りの意義を話しました。
殿堂入りの表彰式典は27日、日本時間の28日午前2時半から行われます。