
イスラエル シリア首都暫定政府軍本部など空爆 緊迫した状況に
イスラエル軍は16日、隣国シリアの首都ダマスカス中心部にある暫定政府の軍の本部などを空爆しました。イスラエルやシリア南部で暮らす少数派の住民を保護することなどを口実に空爆を行ったもので、イスラエルとシリア暫定政府との間でも緊迫した状況となっています。

イスラエル軍は16日「ダマスカスにあるシリアの政権の軍の本部と大統領宮殿の周辺の軍事目標を空爆した」と発表しました。
ロイター通信が16日に配信した映像では、黒い煙が高く上がっていて、空爆の激しさがうかがえます。
シリアの暫定政府は、一連の空爆で3人が死亡、34人がけがをしたとしています。

シリアでは、今月、南部のスウェイダで地元の遊牧民と少数派のイスラム教ドルーズ派が衝突し、これに対してシリアの暫定政府が軍の部隊を派遣していました。
一方、イスラエルは、国境に近いシリア南部に軍が派遣されればイスラエルが危険にさらされるとか、イスラエル国内でも暮らすドルーズ派を保護すると主張し、暫定政府の部隊を攻撃していました。
イスラエル軍は、今回もドルーズ派を保護することなどを口実に空爆を行ったもので、暫定政府側の勢力を国境付近から排除するねらいがありそうです。
現地の情報を集めるシリア人権監視団によりますと、シリア南部では13日以降の衝突でこれまでに260人が死亡したということで、イスラエルとシリア暫定政府との間でも緊迫した状況となっています。
アメリカ国務長官 “双方と協議 緊張緩和に向かっている”
イスラエル軍によるシリアの首都ダマスカスへの空爆について、アメリカのルビオ国務長官は16日、記者団に対して、イスラエルとシリア双方と協議を続けていると明らかにしました。
その上で「緊張緩和に向かっていると考えている。軌道に戻り、シリアが国家を築くことを支援し、より安定した中東になることを願っている」と述べました。
また、国連のグテーレス事務総長は空爆を非難する声明を発表し「シリアの主権と領土の一体性を侵害するすべての行為の即時停止を求める」としています。