きょう午前6時29分ごろ、鹿児島県十島村で震度5強の揺れを観測する地震がありました。この地震による津波の心配はありません。鹿児島県の十島村役場によりますと、悪石島にいる島民、53人全員の無事を確認したということです。

▽震度5強の揺れを観測したのは悪石島で
▽震度3の揺れを奄美市と小宝島で観測しました。
このほか、震度2や1の揺れを鹿児島県奄美地方の各地で観測しました。
震源地はトカラ列島近海で、震源の深さは20キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.3と推定されています。
トカラ列島の悪石島や小宝島付近では先月21日から地震活動が非常に活発になっていて、3日は震度6弱を観測する地震が発生しました。
この地域では、おととしや2021年にも活発な地震活動がありましたが、震度1以上の地震回数は過去のケースを大きく上回っていて、気象庁は、当面最大震度6弱程度の揺れを伴う地震に注意するよう呼びかけています。
十島村 “島民 警察官 計59人全員の無事を確認”
鹿児島県の十島村役場によりますと、悪石島にいる島民53人に加え、島外から島に入っている警察官など6人を含めた、あわせて59人、全員の無事を確認したということです。村では、引き続き、被害がないかなどの情報収集を続けています。
十島村 震度5強以上は 7月3日以来
鹿児島県十島村で震度5強以上の揺れを観測したのは、3日にトカラ列島近海を震源とするマグニチュード5.5の地震以来です。
このときは
▽悪石島で震度6弱の揺れを観測したほか
▽震度3の揺れを小宝島
▽震度2から1の揺れを十島村や奄美北部、奄美南部の広い範囲で観測しました。
専門家“地震活動 あまり変わらず”
鹿児島県十島村で震度5強の揺れを観測した地震について、東京大学地震研究所の酒井慎一教授は「地震の規模を示すマグニチュードもこれまでと同じくらいなので、一連の地震活動の1つと捉えている。おとといやきょうのように悪石島から近いところで起きれば、揺れが大きくなる。地震が減ったらいいなと思っていたが、あまり環境や状態が変わったわけではないと感じている」と述べました。
その上で「一連の地震は悪石島から宝島と東西、数十キロの広い範囲で地震活動が続いているのが特徴だ。群発地震はたいてい同じ場所で次から次へと起きるが、今回はそれぞれ少しずつ違うところで起きている」と述べました。また、今後の見通しは難しいとした上で「住民は安全なところを確保して生活するのを心がけてほしい」と呼びかけています。
==速報中==
十島村 一時 住民に避難指示もその後 解除
鹿児島県の十島村は午前6時29分ごろ、震度5強の揺れを観測した地震の発生を受けて、村内の悪石島全域に避難指示を出し、高台にある悪石島学園のグラウンドに全員避難するよう呼びかけました。その後、全員の無事を確認したということで、午前7時半に避難指示を解除しました。
九電 悪石島など十島村 停電や設備被害の情報なし
九州電力鹿児島支店によりますと、震度5強の揺れを観測した悪石島など十島村で停電や設備被害の情報は入っていないということです。
鹿児島県“けが人 建物被害の情報なし”(午前7時20分時点)
鹿児島県災害対策課によりますと、十島村の悪石島で震度5強の揺れを観測した地震で午前7時20分時点、けが人や建物への被害の情報は入っていませんが、引き続き情報収集を進めているということです。
停電の情報も入っていないということです。
鹿児島県は3日、十島村の悪石島で震度6弱の地震を観測したことを受けて、災害対策本部を設置しています。
悪石島の学校 校長「物が落ちた 震度4とは違うと感じた」
震度5強の揺れを観測した十島村の悪石島にある義務教育学校の悪石島学園の當房芳朗校長は「けさは午前3時ごろから地震が相次いでいて、一度学校に出ていた。起きている人が多くて、校庭の車で寝ている人もいた。一度家に帰ったら震度5強の地震があり、再び家を飛び出して学校に駆けつけた。自宅の上の方から洗剤などが落ちた。震度4とは違うと感じた」と話していました。
警察「被害情報入っていないが確認進める」(午前7時時点)
鹿児島県十島村を管轄する鹿児島中央警察署は「午前7時現在、被害の情報は入っていないが引き続き確認を進めていく」としています。
十島村役場 被害連絡入っていない
鹿児島県の十島村役場によりますと、震度5強の揺れを観測した悪石島でこの地震による被害の連絡は入っていないということです。
村役場では引き続き、情報収集を行っています。
気象庁 午前8時半から会見へ
鹿児島県十島村で震度5強の揺れを観測した地震について気象庁は午前8時半から会見を開き、これまでの地震活動や警戒すべき点などについて説明することにしています。
◇震度5強の揺れ 注意点は
気象庁によりますと、震度5強の揺れでは多くの人が物につかまらないと歩くことが難しくなります。
耐震性の低い木造の建物は、壁などにひびや亀裂が入ることがあるほか、固定していない家具は倒れることもあります。
また、棚にある食器類や本で落ちる物が多くなり、割れた食器やガラスなどがあると片付けをする場合などに思わぬけがをするおそれがあります。
決して無理をしないようにして、室内を歩くときはスリッパや靴を履くようにしてください。 不安を感じる場合は、安全な場所に避難してください。
屋外では、補強されていないブロック塀が崩れることもあります。
また地盤や斜面では亀裂や液状化、落石、それに崖崩れなど発生するおそれがあります。崖の近くなど危険な場所には近づかないようにしてください。
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