英語能力テスト「TOEIC」の複数の試験会場で、中国人の大学院生が小型マイクなどを使って不正に解答を伝えていた疑いが持たれている事件で、受験者には直径3ミリのイヤホンが事前に配られていたことが警視庁への取材でわかりました。警視庁は、国内に器具などを準備した協力者がいるとみて調べています。
京都大学の大学院生で中国籍の王立坤容疑者(27)は、TOEICの3つの試験会場で偽名を使うなどした疑いで、これまでに3回逮捕されていて、警視庁は、ことし3月、東京 練馬区の会場でも不正に受験した疑いで22日に再逮捕しました。
調べに対し、黙秘しているということです。
王容疑者が受験した教室では、中野区内の同じマンションを住所地とする中国人12人が受験していたということです。
警視庁によりますと、容疑者は、マスクに仕込んだ小型マイクやメガネ型の電子端末を使って解答を伝えていたとみられていますが、その後の調べで、受験者には、直径3ミリの球体のイヤホンや、ペンダント型の中継器、それに器具の使い方を説明する動画が事前に配られていた疑いがあることがわかったということです。
警視庁は、国内に器具などを準備した協力者がいるとみていて、組織的なカンニングの実態解明をさらに進めています。