フェンシング世界選手権 男子エペ個人 加納虹輝が金メダル
ジョージアで行われているフェンシングの世界選手権、男子エペ個人で、パリオリンピックで金メダルを獲得した加納虹輝選手が決勝でハンガリーの選手との延長戦を制して金メダルを獲得しました。この種目で、日本勢で金メダルを獲得したのは初めてです。
ジョージアのトビリシで行われているフェンシングの世界選手権は、大会6日目の27日、男子エペや女子サーブルの個人の本戦などが行われました。
このうち男子エペ個人では、世界ランキング2位で去年のパリオリンピックの金メダリスト、加納選手が準決勝で世界3位の山田優選手と対戦しました。
加納選手は持ち味のカウンター攻撃などでポイントを重ね、15対8で日本選手どうしの対決に勝って決勝に進みました。
決勝では世界4位のハンガリーのゲルゲイ・シクローシ選手と対戦し、加納選手は軽快なフットワークから第2ピリオドで4連続ポイントを取りましたが、その後は互いにポイントを奪い合う展開となり、9対9のまま1ポイント先取の1分間の延長戦に入りました。
そして加納選手が相手の攻撃をかわしながら鋭い突きを決めて10対9で競り勝って金メダルを獲得しました。
世界選手権でこの種目での金メダル獲得は日本勢で初めてで、加納選手にとっても世界選手権の個人では初のメダルとなりました。
また今大会の個人は3位決定戦がないため準決勝で敗れた山田選手も銅メダルを獲得しました。
一方、女子サーブル個人で3連覇を狙った江村美咲選手は、3回戦でウクライナの選手に12対15で敗れ、メダル獲得はなりませんでした。
パリオリンピックで金メダル獲得
加納虹輝選手は愛知県出身の27歳。去年のパリオリンピックで、日本のフェンシング界では個人種目で初めて金メダルを獲得した男子エペのエースです。
身長1メートル73センチと小柄ながらダイナミックな攻撃が持ち味で、スピードをつけて前に突進する技やカウンター攻撃など巧みな技術で相手を翻弄します。
初出場の東京オリンピックでは、団体の主力メンバーとして日本のフェンシングで初めての金メダル獲得に貢献しました。
その後も国際大会で実績を重ね、2回目のオリンピックとなったパリ大会では、個人で日本勢初の金メダルを獲得し、団体でも2大会連続のメダルとなる銀メダルを獲得しました。
世界選手権では、2022年に団体で銅メダルを獲得していましたが個人でのメダルはこれまでになく「勝ちたいという思いがすごく強く、金メダルを目指したい。オリンピックのチャンピオンだからと気負うことなく、いつもどおりのプレーをしたい」と意気込みを語っていました。
そのほかの日本選手の結果
大会6日目、そのほかの日本選手の結果です。
男子エペ個人で古俣聖選手は準々決勝で加納選手に敗れました。
松本龍選手は3回戦で古俣選手に敗れました。
女子サーブル個人で金子優衣奈選手は3回戦で、佐野佑衣選手は1回戦でそれぞれ敗れました。